*無法投区/桜月

〜玉椿夜のひかりを集めけり〜


*装丁・題字の仕事=葱男



近頃、きものや帯の製作に加え、句集の装丁や企画展のポスター等に使う「書」のデザインの仕事をさせてもらっています。先日の神戸百鳥句会の大先輩、山あかねさんの第二句集「大手門」に続いて、四月上旬には同じ「文學の森」から甲斐よしあき氏の第一句集「抱卵」が上辞されることになりました。(左の装丁)

「抱卵」というタイトルは同氏の句
●原爆忌抱卵の眼の険しかり  よしあき
から採られています。

右は、現代の若者文化をリードする平成の女浮き世絵師、ツバキアンナ氏の2回目の個展もDMに使われることになった題字のデザイン。
ツバキさんは「きもの大好き人間」であり、みずから「椿も乃」というブランドできものを製作しています。
きものとロックンロ−ルを愛するアンナさんならではの現代感覚あふれる独特のオリジナルデザインです。

私は現在、彼女が描いたデザイン画から、実際のきものの草稿図案を起こす仕事をさせてもらっていて、そのご縁もあって、今回、彼女の個展で使われるDM葉書と会場に掲げる垂れ幕の「書」のデザインを担当させてもらう事になりました。
ちょっと怖くて気持ち悪くて、今様にぶっとんだツバキアンナ独特の世界ですが、興味のある方は彼女のホームページを御覧になって下さい。



*惜別の特急寝台名残雪=資料官

本日の日経新聞を見ていたら文化欄に「三月去る月別れ月」とあった。まさに三月は列車ダイヤ改正,ローカル私鉄の廃止とイベントが続く。

●新しき時刻表買ふ二月尽
3月の新しい時刻表は2月後半には販売される。この時期,特急**がなくなる,私鉄**線が廃止になると大騒ぎして投句・選句もそっちのけ,部長には大変迷惑をおかけしてきた。今年も寝台特急あかつき(長崎−京都),なは(熊本−京都),寝台急行銀河(東京−大阪)など寝台列車がご多分に漏れず廃止となる。この新しい時刻表を手にしてその変わりゆく様をひしひしと感ずるのです。
さらに,島原鉄道の南半分島原外港駅〜加津佐駅間の35.3kmが平成20年3月31日をもって廃止となる。私はこれまで乗ったことも現地で撮影をしたこともなく,今回はじっと指くわえて見ているが,シャベ栗ほか鉄道少年探偵団の諸氏は毎週待つせっせと現地に通って最後の姿をカメラに収めていると聞く。あと2週間。

●あかつきやさらば銀河よ梅月夜
関西と九州を結ぶ寝台特急あかつきは昭和40年に登場と歴史は古い。電車寝台に隠れて地味な存在であったが,最盛期の新幹線博多開業の直前には7号まで増加。このあかつきも新幹線開通後は削減され,今度のダイヤ改正で最後の一往復も姿を消す。



長崎駅到着 平成16年8月



一晩走り続けてようやく下関着 昭和48年3月

●有明のつれなく見えし別れよりあかつきばかり憂きものはなし 壬生忠岑

●すれ違ふ夜行列車や冬銀河
夜行列車が多かった時代には星や月に関する列車名が多かった。すばる,あかつき,彗星,月光,明星,銀河,金星,海星,天の川,北斗,北斗星,新星,北星等々。すばるから金星までは東海道新幹線開業前の東京−関西間を走っていたが,昭和39年には一部を残して廃止,あかつき,彗星,明星,金星は九州と関西方面の寝台特急として名前が復活した。この中で銀河は最後の最後まで東京−大阪間を走りとおした寝台急行。夜行に乗る人は運賃が安い高速バスに乗るご時世なのですね・・・・・・
今回のあかつきと銀河の廃止で,残るのはカシオペア,北斗星,北斗だけとなった。しかもみな東京から北へ・・・・・・



東京駅に到着する大阪発寝台急行銀河。今回のダイヤ改正で廃止。

●春暁や出雲最後の橋渡る=資料官
◎女○夏△水,香=7点
(資註:寝台特急出雲。 夏:列車のある風景がくっきりと絵になる。 水:春は旅情を掻き立てられます。 香:出雲に1票。)
 丘ふみ游俳倶楽部*第二十号


かごんま日記:" DRAGON ATTACK "= スライトリ・マッド

2008年2月23日(土)
*龍天に島轟かせ昇りゆく
Ooh yeah, ha, yeah
Take me to the room where the red's all red
Take me out of my head -'s what I said
Yeah, ow
Hey, take me to the room where the green's all green
And from what I've seen it's hot, it's mean
Eh

- Gonna use my stack
- It's gotta be Mack
- Gonna get me on the track
- Got a dragon on my back

今日の午後5時55分、超高速インターネット衛星「きずな」を搭載したロケットが種子島宇宙センターから打ち上げられた。
H2Aロケットの打ち上げと衛星の分離は成功し、正常に飛行中であるとのニュースが流れる。カウントダウンの後、島中を震わせるような、ものすごい轟音と煙を出して宇宙へと飛んで行った。「きずな」は、最大1.2Gbpsのデータ通信を行なえる人工衛星。1ギガビット毎秒(Gbps)とは1秒間に10億ビットのデータを送れる速度。と言っても私にはピンと来ない話だが・・。国内、東南アジア、太平洋地域をカバーする3つのアンテナを備えていて、インターネット環境の整っていない山間部や離島での大容量・高速データ通信に関する実験を行うとのこと。東経143度、高度約36,000kmの静止軌道を飛行する予定。

*日本初ペンシルロケット春の夢
Take me to the room where the beat's all round
Gonna eat that sound yeah yeah yeah yeah
Take me to the room where the black's all white
And the white's all black, take me back to the shack shack

- She don't take no prisoners
- She gonna give me the business
- Got a dragon on my back
- Hey it's a dragon attack

日本のロケット発祥の地は秋田県道川海岸にある。1955年に東京大学生産技術研究所で行われた最初の発射実験は、カウントダウンゼロの瞬間、300ミリの長さの通称ペンシルロケットが発射台から転げ落ち、そのまま点火されたロケットが砂浜上を這いずり回るという、今となっては笑い話のような実験であったそう。急遽ロケットの固定方法を改良し、同日2回目の発射実験に成功。到達高度600m、水平距離700m、飛翔時間16.8秒。秋田には現在ロケット発射場はない。日本にあるロケット発射場は2ヶ所だが、両方とも鹿児島県内に。種子島宇宙センターと大隈半島南部の内之浦宇宙空間観測所。以前は種子島宇宙センターは宇宙開発事業団(NASDA)に、内之浦宇宙空間観測所は宇宙科学研究所(ISAS)に属していたが、現在は両方とも宇宙航空研究開発機構(JAXA)に所属する。2003年の行政改革の再編で、宇宙科学研究所(ISAS)、宇宙開発事業団(NASDA)、航空宇宙技術研究所(NAL)が統合され、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発足したとのこと。ところでロケット発射場がなぜ鹿児島にあるのだろう?

*宇宙にもあるのだらうか春の虹
Get down, I said so, wooh
Hey hey, alright, yeah, oh yeah eah eah eah

Low down - she don't take no prisoners
Go down - she gonna give me the business
No time - yeah chained to the rack
Show time - got a dragon on my back
Show down - go find another customer
Slow down - I gotta make my way
From me yeah oh
Oh wrong way yeah
Oh wrong way
Hey
Alright
Oh look out

宇宙の天気はどうなっているのだろう?先日、友人が丸い虹を見たとの写真を送ってくれたが、何とも不思議な光景だった。
去年、月から見た地球の出を映し出したのが、月周回衛星「かぐや」。月面に昇る青く美しい地球の姿が、まだ記憶に新しい。「かぐや」を搭載したロケットも種子島宇宙センターから発射されたもの。「きずな」や「かぐや」について調べていたら、さっきの答えが見つかる!鹿児島にロケット発射場を造ったのは、人口衛星を赤道上空36,000kmの軌道に乗せるには、赤道に近い方がよく、日本の南に位置する鹿児島は地球の自転を利用するロケットの打ち上げに有利であるから。ロケットの打ち上げ方向に当たる東方から南方にかけて海が開けていることも重要。万が一ロケットの不具合が起こって落下した場合にも陸地でないため被害が少ないこと。また用地確保が容易だったからだって!要するに田舎ってことね?!ふうん。

"DRAGON ATTACK" by Queen (1980)より引用


■編集後記

宗匠の講評にあったように、今月のお題「ぶらんこ」に対し、「ふらここ」という傍題を詠んでいる人が圧倒的に多かったことに驚かされた。「半仙戯」「鞦韆」という唐様もなかなか乙な字面である。(ちなみに「石鹸玉:シャボン」を唐風だと「水圏戯」と書くが、これまた楽しい漢字ですね。)

好きな内田百間の句に
●ふらここに 揺れつつ草履 ぬぎにけり
というものがあり、俳句を始めた人間なら、この「ふらここ」という季語に出会ったなら、大抵一度はこれを詠みたいと思うのではなかろうか。 かく言う私も、全くの初心者だった頃、こんな句を詠んだことがある。


●ふらここに同窓の君揺れる宵

それが美人画となって今も残っているのだから「ふらここ」に、ありがとう、と言いたい。
ところで今度の宗匠の話しでは「ゆさはり」という新たな言霊が登場して来た。
はてさて、これまた魅力的な音ではないか! う--む。
(文責 中島)


無法投区

創刊号 第二号 第三号 第四号 第五号 第六号 第七号 第八号 第九号 第十号 第十一号 第十二号 第十三号 第十四号 第十五号 第十六号 第十七号 第十八号 第十九号 第二十号 第二十一号 第二十二号 第二十三号 第二十四号 第二十五号 第二十六号 第二十七号 第二十八号 第二十九号 第三十号 第三十一号 第三十二号 第三十三号 第三十四号 第三十五号 第三十六号 第三十七号 第三十八号 第三十九号 第四十号 第四十一号 第四十二号