虹魚さん(土屋竜一君)・追悼=丘ふみ倶楽部・メンバー

竜一さんとは「丘ふみ游俳倶楽部」で三年間ご一緒させていただきました。
マルチな才能の持ち主で頑張り屋! 反骨精神もあり、よくあれだけの難病を抱えながら「生命」を生ききったと思います。

「丘ふみ」175号の虹魚さん(竜一さんの俳号)の句がとても強く印象に残っています。

一席 ●新人のナース全身春の色=虹魚
◎子、五、修、喋○葱、村△砂、朱、ぼ=19点
(葱:生きようとする力が湧いてくる。本当に若くて優しい女性の力は偉大です、ピンクサロンちゃうよ^^; 村:希望に満ちた初々しさ。 朱:そのままの素直な心情がストレートな佳句。 ぼ:初々しくて、いいな。)
二席
●とんがつた怒りを春の炉にくべて=虹魚
◎し○秀、メ、村△朱、雪、秋=12点
(し:春の炉がぴたりと合う不思議。まるくなって穏やかな春を過ごせそう。 秀:ちょっと口やかましいことを書きますが、この句、SNSで拝見しました。句会で選をうけた後ではだめですか。SNSで見た句はとらないと決めているんですが、この句はあまりにも素晴らしく惜しいとおもいましたので、頂きました。 村:そういう若い時もあったなと共感。 朱:陰と陽の措辞の成功。 雪:私もそうしましょう!(笑))
●花時のヘルパー花の匂ひして=虹魚
○葱、資、遊△朱、修=8点
(葱:「新人のナース全身春の色」と同じ作者でした^^;、ふたつとも○でいただいてしまいました。同じ情景でたくさん句が詠めるという見本ですね。 資:花好きのヘルパーが来ると母が喜んでいた。 遊:感謝の気持ちが伝わります。小さな幸せの有難さ。 朱:春の優しさを全面に感じる佳句。)

今後、虹魚さんからの投句がないのはとても残念ですが、彼の魂はこれまでの長い車椅子生活から解放され、 この聖五月の青い空を、ようやく自由に飛び回っていることでしょう。 魂とは、目に見えない極細の粒子が振動する、その独自の波形のことだと私は思います。  葱男   


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●夏空を自由自在に泳ぐ魚  ラスカル

<虹魚さんとの思い出>  

きっかけは2017年5月12日。フェイスブックを通じて、見知らぬ人からメッセージが届いた。

長野県佐久市の土屋竜一と申します。いつかいつかと思っていた俳句を、数ヶ月前から始めた初心者です。面識もないのに恐縮ですが、交流させていただけないでしょうか。仲寒蝉先生はご近所で父の主治医です。現在52歳ですが、幼い頃より悪性の筋ジストロフィーと共にありまして、全身は動かず、人工呼吸器を二十四時間装着しております。沖電気に就職し、わずかに動かせる指先でパソコンを使い在宅で勤務をする毎日です。

筋ジストロフィーという難病と闘いつつ、俳句を始めたという向学心に心を打たれた。
「もちろん! こちらこそよろしく!」と返事を出したのは言うまでもない。
お互いに一病を持つ身として、心から通じ合うものがあったのだと思う。
僕のことを「敦兄さん」と呼んで慕ってくれた。とても嬉しかった。

当時、僕は5つのネット句会に参加していたが、その中の一つの「丘ふみ句会」に参加するように勧めた。
一番信頼している中島葱男さんが幹事だからである。
土屋竜一さんは「虹魚」という俳号で、丘ふみ句会に投句を始めた。
虹魚さんは誠心誠意をこめて俳句に取り組み、めきめきと上達していった。
そして、所属結社の「梟」で、巻頭という名誉に輝いたのである。
<蓑虫や考へごとは幾らでも 虹魚>
巻頭のお祝いに色紙を書いて贈ったところ、すぐさまメッセージが届いた。

たった今、色紙が届きました!! 太くて元気に溢れた、生き生きとした「蓑虫」の書に感激し、また感動いたしました。本当にありがとうございます。こんなにして頂いたのですから、もっともっと精進して、俳人・金子敦を慕うものとして恥ずかしくない句を作っていかなければ、と意を新たにしました。きちんと額縁に入れて飾らせていただきます。飾ったところで写真に収め、フェイスブックにアップするつもりです。うれしくて、うれしくて!ありがとうございました。

2017年11月4日、僕の書いた色紙がアップされた。

「僕が俳句を兄事している俳人の金子敦先生。書家としても秀でておられ、このたび巻頭句になった僕の会心の一句を、書にしたためてプレゼントしてくださいました。豪快な筆致で、蓑虫がいかにも蓑虫という感じで素晴らしい。せっかくなので永久保存用の額を購入して収めさせていただきました。敦兄さん、ありがとうございます。これを励みに作句に邁進いたします。これはもう家宝です。」

立派な額に入れていただいた色紙の写真こそ、僕にとっての家宝である。
虹魚さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。合掌。  




●泉下の君へ白百合開きゆく気配
●君は羽化して永別の走り梅雨
突然彼は逝ってしまいました。
朱美ちゃんと俳句文通したいってナンパされそれから幾度もネット上の往復書簡。
句の談義、音楽談義、彼のCDも著書も送ってもらい市民会館でのイベントの盛り沢山の話も…。
ラインのやり取りの最後は14日でした。
20日に心臓の精密検査するんだ、主治医に直談判したんだ、と。そして20日早朝に頑張ってねと送ったラインに既読が付かず気になってはいました。同い年で子供の年齢も近くて、お互いに色々な悩み事も打ち明ける仲でした。彼は自分の大変な境遇にも拘わらず私の悩み事にもいつも心を砕いてくれていました。こうして書いていても涙が止まらず、子供思いの彼の無念を思います。
お父さんお母さんが呼んだのでしょうか…もう充分頑張ったよと呼ばれたのかも知れない。
それならば必ずお父さんお母さんに出逢えますよね。不自由な肢体から開放されて花野の空に羽化して自由を謳歌して下さい。
どうか安らかに。祈ります。
令和2年5月24日    虹魚(土屋竜一)さんへ   朱河


●高々と跳べよ歌へよ佐久は初夏
ご訃報に接し、ただただショックで、未だ信じられずにおります。
Wikipediaを読んで、改めてすごい方だと知りました。
「丘ふみ」で、3年間ご一緒できました事、光栄に存じます。
最後の参加となってしまった、187号のお句
  <しばらくは逢えぬ人ゐて春惜しむ  虹魚>
「逢へぬ」と表記してほしかったので、頂けませんでしたが、とても共感できるお句でした。
そして、今読み返すと余計心に響きます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。  紅椿


●飛び魚や虹の光跡かなたまで 
心安らかにお休み下さい  遊歩


●難病のなかに虹あり詩うたう 
虹魚さん合掌  白馬


●虹の魚見しことあらばこと問はむ  流れのあはひに何色成すや  
虹魚さんへの追悼短歌でもよいでしょうか?   入鈴


●魚跳ねて水底に虹架かりけり
5月20日、虹魚さん逝く  葱男


●虹のかなたへ五体より解き放たれて  ぼくる


●見送れば大きな虹のたちてをり 
   虹魚さんを悼む  秀子


●逆しまの夏空を翔ぶ虹の魚  智雪


●虹への地図広げ旅立つ漢かな  しゃが


●難病に明けぬ暮れぬと新樹の夜
●みづうみに還る魚や虹の消ゆ
●句作するベッドは宇宙アマリリス  茶輪子


●青き地球夏の銀河のふりそそぐ
虹魚さんの生き方を尊敬しています。
勇気をいただいてきました。
ご一緒できたことを深く胸に刻んで
心よりご冥福をお祈りいたします。
<天の川吾もかがやく欠片なり  虹魚>
とても印象に残っている句です。  まさこ


●銀河の真ん中からの投句待ってます
●見上げれば酌みつつ句を詠み歌ふ君
●虹を渡る魚になられ逝かれけり
●御父上と守君ときつと歓談されてゐる
虹魚さんの御句を157号から読んでいます。生前お会いしたことはありませんが、葱男さんのメールで身近に感じられる気がします。ありがとうございました! 虹魚さんの御冥福を祈ります。   那須修一こと沖増修治


●土屋姓多き信濃や山桜梅
紅魚さんは存知上げない方ですが、難病と闘っていたようですね。    十志夫


*土屋竜一・Wikpedia


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