賀茂川吟行句会=葱男



先日の5日、「葱男会」の賀茂川花見吟行句会が開かれた。

「葱男会」というのは、永遠の旅人である「ぼくるさん」が、息子さんの住んでいる京都に上られた時、何人か近くのものが集まって一献傾けてるグループに「清一さん」が命名してくれた名前である。

決まったメンバーというのもないのだが、ぼくる、清一、秀子、葱男あたりから始まって、ゲストに「青垣」の清吾さんが加わり、新メンバーの、宇治在住の智雪さんが加わり、遠くからでも参加したいと言ってくれたぶせふさん、茶輪子さん、玻璃さん、裕さんなどが現在の主なメンバーである。

今回の花見には、ぼくる、ぶせふ、清吾、子白(飛び入り参加)、秀子、智雪、葱男が集まった。清一さんは腰椎の圧迫骨折で突然の入院で今回は欠席投句だけの参加となった。

午前10時、まず清吾さん、ぼくるさん、私が「京都府立植物園」の北門に集まり、併設の「陶板美術館」をのぞいてから春爛漫の「植物園」吟行を開始。
清吾さん、ぼくるさんは70才を越えているので入場料はオールフリー、「植物園」内の「観覧温室」も無料である。

三人組のおじさんは順次、桜の見本樹、梅園、水琴窟、カワセミの来る野池などを経由して最後に「温室」へ。植物園は広々として、私たちは待ち合わせの時間もあったので、「薔薇園」「菖蒲池」「資料館」などにはたちよれなかったが、「半木の森」という半分自然の生態系をそのまま残している場所もあり、熱帯の植物が見られる「温室」もありで、入場料200円で半日楽しめる場所である。

12時近く、三人はランチタイムに入り、「植物園」を出てすぐ近くの蕎麦屋で「ざるそば」と軽くビール。そして、ぶせふさん、子白さん、智雪さんと待ち合わせしている「北大路橋」に。

さてと、ここからが本格的な「賀茂川花見吟行」である、「北大路橋」から南へ下り、「出雲路橋」、「葵橋」「出町橋」までの約2km弱。
秀子さんは少し足を痛めていて早く歩けないので「出町橋」の「賀茂川」と「高野川」の合流する三角州で3時に待ち合わせである。(このふたつの川が合流し、今出川以南、丸太町、四条へとずっと下ってゆく流れが「鴨川」と呼ばれる。) 私は「北大路橋」で記念撮影したあと、昼のビールが効いたのか急に尿意を催してきたので、みんなから一歩先に「出雲路橋」の公衆トイレ目指して一目散の早足に。せっかくみんなでよもやまの話をしながらの「のんびり吟行」ができず、結局「出町橋」までずっと単独行動になってしまった。
初対面のメンバーたちの間をうまく取り持たなくてはいけない立場なのに幹事としては失格である。
ワインや酒ならそうでもないのだが「過活動膀胱」というやつだろうか、ビールを飲むと突然の尿意に襲われて冷や汗をかくことが最近多くなった。

まあ、そんな愚痴はさておき、3時にはみんな無事に「賀茂川」と「高野川」の合流地点「出町柳」に合流し、近くのコンビニで買ったワインを飲みながら、ほろ酔いでまったりとした楽しい句会を開くことができました。

句会のあとはすぐ近くの炭火焼鳥のお店で「打ち上げ」。 第1回、葱男会主催の「賀茂川花見吟行句会」は部員同士の親睦を大いに深め、楽しく暖かい雰囲気の中、8時過ぎには最寄りの「京阪出町柳駅」で散会となりました。

「ハグ推進委員会」の会長としては、恵那からお越しのぶせふさんと最後に熱い抱擁をかわして、次の再会を約束することができました。

今後も京都だけでなく、「丘ふみ倶楽部」のメンバーを中心にしてこのような「吟行句会」を、横浜や博多でも企画したいと考えています。

やっぱり、実際に顔をつき合わせて飲みながら俳句のお話をするのが一番楽しくて面白いですね。

参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。


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6点句
●春水となりゆく堰を越ゆるたび  (秀子) ◎葱・ぶ○智・清吾

5点句*
●病室の君を想へり桜二分  (ぼくる)  ◎清吾○秀・清一・子 

4点句
●辻斬りの闇に揺れたる桜かな  (葱男) ◎智〇ぶ・ぼ
●大の字を山にひろげて春の京  (ぶせふ) ◎秀・ぼ

3点句
●異国語も鳥語も花を愛でにけり  (ぶせふ) ○葱・子・清一

2点句
●地の甕にピッチカートの雪消水    (葱男)  ○ぶ・智
●京にあるけふの流れや花の昼     (ぶせふ) ○清一・智
●春暮れて星あまやかす空の色     (清吾)  ○ぶ・秀
●魚となる花時の橋潜りぬけ      (秀子)  ○葱・清吾
●けたけたと自撮りの少女花の道    (ぼくる) ◎子
●花曇り古都の翼の集ふ川       (ぶせふ) ◎清一   

1点句
●花曇鷺の漁(すなど)堰の音    (清吾)  ○ぼ
●ひしめける小さき命や雪柳      (ぼくる) ○子
●桜咲きみつミサイルが飛んでくる   (秀子)  ○葱
●青柳われは黄色人種なり       (ぶせふ) ○ぼ
●言の葉の記憶薄れし花の昼      (清一)  ○ぼ
●早緑の柳の雨のもとに入る      (葱男)  ○清吾
●あたたかやフェルトの隠す玉結び   (清吾)  ○清一
●咲きそめし花に背(せな)向け石たたき (清吾) ○子
●虚空いまさくらさくらを見て居りぬ  (清一)  ○智
●雪柳めがけて賀茂の草スキー     (葱男)  ○清吾
●忘却の限り尽して花盛り       (秀子)  ○ぶ
●鳥雲に入る裕次郎館閉ぢて      (清吾)  ○秀
●花霞糺の森を従えて         (智雪)  ○秀
●花溜まる中洲の鴨のゆつたりと    (智雪)  ○葱

無点句
●信州の画家の描きたる春の京
●蒼穹の鴨川映る花の影
●春霞親子で遊ぶシャボン玉
●さらさらと鴨川嬉し花万朶
●風甘し河原を行けば花見酒
●朝桜一眼レフをかまへる子
●外つ国の人居ならびて花堤
●鴨川を渡しきれない花筏
●とりどりに触手伸ばせり雪柳
●曇天にアンギオのやうな花の枝
●こもごもと来川鵜白鷺春の声
●もてあましゲートボールで春つぶす
●花あらば花に寄せらるうつつかな
●春風や番(つがい)の鴨は群離れ
●花の下段ボールのソリ子のはしゃぎ

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