*「写真俳句」大賞 決定!
 



2015年、新しく始まった「写真俳句」のコーナーは、1年間で78作品の応募がありました。
会員の投票により、葱男の作品(No67)が大賞に選ばれました!
自分にパチパチパチ! ^^;
これは、私の編集に対する慰労の意味もかねての加点だと、皆様にはとても感謝しております。

それでは、以下人気投票の結果をお知らせします。
選考にあたっては、その作品の作者が分かるという理由から辞退された方もいらっしゃいました。投票に参加していただけたのはゲストの杉山久子さんをはじめ、や、白、ラ、五、る、資、ま、水、紅、雪、喋、弧、秋の14名でした。


67 ●ちちろとも鳥とも別れ眠らうか  葱男
○や、久、る、ま、弧、杉=6点
 
25 ●あんのじやうそわそわしてる花衣  水音
○や、久、雪、喋、杉=5点
 
62 ●秋風やけむりも越ゆる大井川=資料官
○や、白、水、喋=4点
 
63 ●我が道を探す道筋秋の風=水音
○葱、久、弧、杉=4点
 
76 ●抱えたるものの重さや年つまる=水音
○白、十、五、ま=4点
 
34 ●格子戸を縦長にゆく祭かな=十志夫
○る、水、資=3点
 
39 ●一人なら悠悠夏の空へゆく=弧七
○水、雪、香=3点>
 
75 ●狼の己が蛻と眠りけり=葱男
○る、紅、喋=3点
 
3 ●無垢な世の無垢な人との御慶かな=水音
○葱、資=2点
 
5 ●眠らずに唯裸木になりにけり  弧七
○秋、ラ=2点
 
19 ●岐阜蝶を待つ岐阜蝶に待たされる=水音
○五、香=2点>
 
23 ●青春へ帰る木橋や雲雀鳴く=やんま
○ま、紅=2点
 
66 ●秋うらら島にひしめく摩天楼  資料官
○ラ、十=2点

1 ●線と線幾重交はり冬の旅=資料官
○香=1点
 
13 ●聞くことも訊かるることもなき余寒  十志夫
○ラ=1点
 
27 ●糸桜くぐりて見れば別世界=資料官
○五=1点
 
30 ●競い合い囀り合うてまた散らす=香久夜
○紅=1点>
 
36 ●真っ白なお城が見える駅薄暑=資料官
○雪=1点
 
41 ●信じ待つ友のところへ大夕焼=水音 
○白=1点
 
46 ●手に夏の血の昇りくる祖国かな=十志夫
○秋=1点
 
47 ●かさに似た顔で散歩をする梅雨=弧七
○葱=1点
 
57 ●絶望がたがひをハグす祭なり  葱男
○弧=1点>
 
61 ●秋深し遠近法の先の先  十志夫
○秋=1点
 
73 ●秋空を八つに分かつ蜘蛛の足  葱男
○十=1点
 
78 ●夢に生き夢に消したる寒暮色=やんま
○資=1点
 



それでは、「写真俳句・大賞」に投票していただいた方々の声をお伝えします。

杉:お世話になります!選びたい句、選びたい写真俳句が沢山あってとても迷いました。
秋:写真俳句を眺めていたら、つい見とれてしまって。3つ選ぶのはそれはもう難しくて!随分迷いました。
弧:ちちろの句は写真俳句の作品の中で特に気に入っております。繰り返される「とも」の部分に深い諦観を感じました。
水:写真俳句の選考はとても難しい。好きなのがたくさんありすぎて苦労しました。
雪:写真俳句の方は、どれも甲乙つけがたく、迷いに迷いました。採ってない方にはごめんなさい!と言いたい気分です。
白:25句→6句→3句 やっと絞り込みました。
 
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続いて、「俳句賞」、「写真賞」の発表です。
 
「俳句賞」の選考は金子敦さんに、「写真賞」の選考は栗原隆司さんにお頼みしました。
おふたりはその道のプロフェッショナルですので、専門家の眼から見た作品の評価をお願いしたのですが、ひとりでは責任が重い、ということでしたので、素人ではありますが、編集長であり、部長である私も選考に加わらせていただきました。

■俳句賞(ラスカル賞)
 
21 ●梅真白押し戻さるるズームの眼   十志夫
 


選考は、ラスカルさんと私がそれぞれ好きな俳句を5句ずつ選ぶところから始まりました。
 
ラスカル選
21 ●梅真白押し戻さるるズームの眼   十志夫
37 ●山吹の葉は整然と皺だらけ  白馬
60 ●水馬雲かきまぜて去りにけり  やんま
71 ●秋天や田舎の駅の投句箱  資料官
75 ●狼の己が蛻と眠りけり  葱男

■葱男選
03 ●無垢な世の無垢な人との御慶かな=水音
21 ●梅真白押し戻さるるズームの眼   十志夫
23 ●青春へ帰る木橋や雲雀鳴く  やんま
46 ●手に夏の血の昇りくる祖国かな=十志夫
63 ●我が道を探す道筋秋の風=水音
 
「俳句賞」はふたりの選で重複した十志夫さんの「梅真白」にすんなりと決まりました。
ラスカルさんからは私の「狼」を天位に、というお言葉をいただきましたが、それは「功労賞」の部類に入りますので気持ちだけいただき、「俳句賞」はご辞退いたしました。
 
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■写真賞(喋九厘賞)
 
写真賞も、栗原君と私が5作品を選ぶというところから始まりました。
まずはプロの写真家が選んだ5作品
 
喋九厘選






続きまして、葱男選
 




ふたりの選で重複したものはなかったのですが、喋九厘さんの大賞の選に62番の資料官さんの作品が、私の大賞の選に3番の水音さんの作品がノミネートされていましたので、同点首位ということで お二人に「写真賞」が贈られることになりました。
 
俳句賞の十志夫さん、俳句賞の資料館さんと水音さんには「丘ふみクラブ」より3000円相当の賞品が贈られます。(後日、みなさまにも詳しくご紹介します。)
 
最後に、「写真俳句」は作者の名前が分かっているので選が躊躇われる、という意見が何人かの方から寄せられました。
私も「公平性」の重要さを重んじたい気持ちはありますが、完全なる匿名性は個人個人の作品の作成システムに同一性が容易に想像できるので無理であること、作品投稿の情熱を維持させるためには1年間の作者名秘匿はマイナスであることを考え、最も良い方法が見つかるまではこのままのシステムを続けることといたしました。
どうぞ、ご理解の上、「写真俳句」へのたくさんの方々からの投稿をお待ちしています。
 

■ 葱々集〈back number〉
*冬のはじまりの手仕事市*地面下句会*平成二十六年俳諧国之概略*杉山久子・「春の柩」*大森健司・「あるべきものが、、、」*利普苑るな・第一句集「舵」*「筥崎宮・蚤の市」吟行句会*楠木しんいち「まほろば」*銀座吟行句会*Subikiawa食器店*ジャポニスム*金髪の烏の歌*Mac崩壊の一部始終*香田なをさんの俳句*能古島吟行句会*Calling you*白鴨忌*葬送*風悟さんの絶筆*小田玲子・「表の木」*初昔・追悼句*大濠公園/吟行・句会/2012,11,11金子敦「乗船券」丘ふみ俳句:丘ふみ俳句:韜晦精神派(久郎兎篇)丘ふみ俳句:協調精神派(前鰤篇)丘ふみ俳句:行楽精神派(メゴチ篇)丘ふみ俳句:ユ−モア精神派(喋九厘篇)丘ふみ俳句:俳精神派(五六二三斎篇)丘ふみ俳句:俳精神派(香久夜・資料官篇)丘ふみ俳句:俳精神派(水音篇)丘ふみ俳句:詩精神派(秋波・雪絵篇)丘ふみ俳句:工芸精神派(君不去・夏海)丘ふみ俳句:実験精神派(白髪鴨・ひら百合・入鈴・スマ篇)丘ふみ俳句:砂太篇俳句とエチカ現代カタカナ俳句大震災を詠む「遊戯の家」金原まさ子さらば八月のうた「ハミング」月野ぽぽな「花心」畑 洋子1Q84〜1X84「アングル」小久保佳世子ラスカルさんのメルヘン俳句「神楽岡」徳永真弓「瞬く」森賀まり『1Q84』にまつわる出来事「街」と今井聖「夜の雲」浅井慎平澄子/晶子論「雪月」満田春日 「現代俳句の海図」を読む:正木ゆう子篇 櫂未知子篇田中裕明篇片山由美子篇「伊月集」夏井いつき「あちこち草紙」土肥あき子「冬の智慧」齋藤愼爾「命の一句」石寒太「粛祭返歌」柿本多映「身世打鈴」カン・キドンソネット:葱男俳句の幻想丘ふみ倶楽部/お誕生日句と花