分かり合ふ手花火の火をうつすとき

*金髪の烏の歌=葱男

いつもの時間に と君は云う

気まぐれに煙草を吸う
罪悪感を舐めるように いがらっぽい日常を確かめるように
朝でも昼でもかまわず夜にして カーテンを全部閉め切って
グレゴール・ザムザの殻のなかに閉じこもって
煙草を吸う

いつもの場所で と君は云う

ジャズは・・・だいっきらい!
それは前から感じていました
月曜日はもっともっと嫌い
冷たい心は君も僕もおんなじです
いつもいつもいつも 100まで数えてみる
1、2、3、4、5、6、7
しだいに苦しくなってきて53、54、55、56、57
57から向こうは分からない
だからなんのイメージも持たずに数え続ける
96、97、98、99、100
ああ 生きるのってややこしい

青い花なら好き と君は云う

眠ってしまえば夜は短いけれど 夢の総量と夜明けの一瞬を比べてみて
君はどちらかを大切だと思ったことがあるだろうか
もしあるなら どちらが大切だと思っただろう

お酒が飲みたい と云う君

もうすぐ終わりが来ます 
「時代の忘却」という名前のお酒があるの知ってる?
いつも紅の下着をつけて いつもいつも不思議な言い回しをする 可愛らしい乙女のようなお酒です
飲んでみませんか

もうイヤ! そう君は叫んだ

物語は消えてしまう のか
新しいストーリーは次回に巡ってこない のか
まわりまわって古い古い繰り返しの日々がつづくだけ なのか

君の金髪は 君の黒髪よりも 君の匂ひがしました
君のにおひは 水仙の花の匂いのようでした


※この歌は、17歳の詩人「一木正治」君の詩へのオマージュとして創られたものです。
彼の原詩が知りたい方は公転周期クリックして下さい。


■ 葱々集〈back number〉
*Mac崩壊の一部始終*香田なをさんの俳句*能古島吟行句会*Calling you*白鴨忌*葬送*風悟さんの絶筆*小田玲子・「表の木」*初昔・追悼句*大濠公園/吟行・句会/2012,11,11金子敦「乗船券」丘ふみ俳句:丘ふみ俳句:韜晦精神派(久郎兎篇)丘ふみ俳句:協調精神派(前鰤篇)丘ふみ俳句:行楽精神派(メゴチ篇)丘ふみ俳句:ユ−モア精神派(喋九厘篇)丘ふみ俳句:俳精神派(五六二三斎篇)丘ふみ俳句:俳精神派(香久夜・資料官篇)丘ふみ俳句:俳精神派(水音篇)丘ふみ俳句:詩精神派(秋波・雪絵篇)丘ふみ俳句:工芸精神派(君不去・夏海)丘ふみ俳句:実験精神派(白髪鴨・ひら百合・入鈴・スマ篇)丘ふみ俳句:砂太篇俳句とエチカ現代カタカナ俳句大震災を詠む「遊戯の家」金原まさ子さらば八月のうた「ハミング」月野ぽぽな「花心」畑 洋子1Q84〜1X84「アングル」小久保佳世子ラスカルさんのメルヘン俳句「神楽岡」徳永真弓「瞬く」森賀まり『1Q84』にまつわる出来事「街」と今井聖「夜の雲」浅井慎平澄子/晶子論「雪月」満田春日 「現代俳句の海図」を読む:正木ゆう子篇 櫂未知子篇田中裕明篇片山由美子篇「伊月集」夏井いつき「あちこち草紙」土肥あき子「冬の智慧」齋藤愼爾「命の一句」石寒太「粛祭返歌」柿本多映「身世打鈴」カン・キドンソネット:葱男俳句の幻想丘ふみ倶楽部/お誕生日句と花