かはほり・丘ふみ合同句会=葱男
春も爛漫の4月10日、あいにくの時雨模様でしたが、秀子さんの主宰する「かはほり句会」のメンバー6名と、わが「丘ふみクラブ」からは有志6名(うち欠席投句1名)が集まり、京都御苑を中心に、聖アグネス教会、護王神社、小川治兵衛の庭が有名な「京都平安ホテル」などを吟行、その後、ホテルの「銀閣の間」で楽しい句会が開かれました。

写真上段左より智雪、清一、葱男、秀子、朱河、清吾、荘太、ぼくる
下段左より照代、洋子、秋波
5点句
●庭園に五歩ほどの橋草青む ラスカル(莊◎洋◎清吾・秋・輝)
秀:小川治兵衛のすばらしいお庭を切り取ったような大きな窓のある部屋が句会場でした。庭にはまさしくそのような橋もあり、素晴らしい写生の句だとみんなで感心したのですが、欠席投句のラスカルさん!恐れ入りました。 葱:次点でいただきたい句でしたが、「ほどの」の言い回しにやや安易さを感じました。
●教会は方舟に似て花の雨 秀子(清一◎智◎洋・清吾・朱)
秀:内に入れていただきお話も聞かせていただいた聖アグネス教会。屋根がちょうど舟の底の形で、説明の中に、「方舟」という言葉がでましたので、半分以上が司教様のお手柄です。十名の句友とお話を聞いていて、時間を共有していることを強く意識しました。まるで、「方舟」に乗っているようだと実感したのです。 葱:これも次点にいただきたい佳い句だと思いました。教会としては珍しく、木で組んだ天井の造形が「方舟」を彷彿させました。
4点句
●大木のひびわれ深し寒戻る 輝代(莊・洋・葱・清一)
秀:物をちゃんと見ているという意見が多くでました。 葱:御苑には年代物の古木がたくさん植えられていました。
●春駒に跨りぼくる上洛す 葱男(秀◎ぼ・朱・ラ)
秀:もちろん、遠路はるばる来てくださった「ぼくるさん」へのご挨拶。それにしても作者の温かさ、真っ直ぐな人柄が出ているではありませんか。また「跨る」という言葉と「上洛」という言葉とで、私は昔話の金太郎を連想しました。伸びやかないい句だと特選でいただきました。 ラスカル:「春駒に跨り」に躍動感があり、作者の喜びが伝わってきます。
3点句
●鎮もれるパイプオルガン花の雨 清吾(秀・葱・ラ)
秀:花の雨に包まれ、どしりと座るパイプオルガンの存在感。 ラスカル:これから、短調の曲を奏で始めるような感じがします。「花の雨」だからでしょうか。 葱:教会の天井に響き渡るオルガンの音が想像され、荘厳な気分になりました。
●手水舎の零猪の鼻のうららけし 清一(清吾、秋・ラ)
秀:霊験あらたかな猪の鼻をみんなが撫でるものだから、ピカピカと光ってきて、それを作者は「うららか」だと感じられた。 ラスカル:「鼻」に焦点を絞っているところがよいと思います。
2点句
●雨垂れの波紋にゆれる花の影 莊太(智・清一)
秀:写生らしい素直な吟行句。ゆれているのが花ではなく、花の影であると少しずらしたところが手柄であると清一さん。
●春の雨情死とあらばどしや降りに 朱河(秀・輝)
秀:「情死」だなんて「土砂降り」だなんて、あっぱれ! 葱:面白い句ですね、取りこぼしました。
●春の葱加護の光に包まるる ラスカル(ぼ◎輝)
秀:これも挨拶句。ラスカルさんいつか一緒に句座が囲めたらいいですね。 葱:挨拶句を全部取るとそれで選がいっぱいになるので敢えて外しましたが、ぼくるさんの読み(「葱」を葱男として読むのではなく、野菜として読む)を聞いて、佳句かもしれないと思い返しました。
●その男春霖を連れ来たりけり 清吾(朱・輝)
秀:「その男」が評価の分かれ目だったようです
●聖堂の煉瓦粗しよ花の雨 清吾(秀・洋)
秀:これも、アグネス聖堂。煉瓦の肌理が粗いということと、「花の雨」の語感の柔らかさとは、よく響き合っている。
●待ち人来ず桜蘂降る雨となり 朱河(智・清一)
秀:待ち人も来ず、とうとう桜蘂を散らす雨となってしまいました。さびしいですね、いよいよ春も逝きます。
●乗り移る妖精の居て姥桜 智雪(葱◎ぼ)
秀:葱男さんの特選句。けど、私は、この「乗り移る」「居て」が、かえって句意をわからなくしているような気がしてならないのですが・・・。 葱:櫻には不思議な妖精が宿っている 櫻を見つめているとその妖精が私の身体に乗り移る 櫻は毎年春になるとその若さを取り戻すけれど 知らぬ間に月日は流れ私はといえばもうすっかり歳をとってしまった ただ もし青春の意味が情熱にあるとすれば 櫻の花の下にゐて その花吹雪を一身に浴びて 私の青春の情熱は永遠に冷めることがない。
●やすらぎの退位御苑の花万朶 葱男(莊・ぼ)
秀:平成の天皇の生前退位のことを詠みこまれました。
●花片のへばりつく幹雨やまず 莊太(ぼ・ラ)
秀:素直なよく見た写生句。 ラスカル:「貼り付く」ではなく、「へばりつく」と表現した点がユニークです。
1点句
●雨男同士ややつぱり花の雨 ぼくる(朱)
秀:「やつぱり」に賛否の意見が集まりました。
●カタカナでさよならと書く花の雨 秀子(智)
●糸桜雨の小粒も枝垂たる 智雪(秋◎)
秀:「も」で、曖昧になってしまったような。
●菅公の産湯の井戸や亀鳴けり 清一(洋)
秀:菅原道真の産湯の謂れがある井戸がありました。これを取り上げたのは、清一さんだけでした。
●花の雨携帯のなる待合せ 洋子(莊)
秀:雨の吟行だったので、途中迷子になったり。そんな時、携帯で連絡をとりあうのは、まさしく現代の風物詩ですね。
●春の暁やはりかしこげ津田梅子 輝代(朱◎)
秀:まさしく時事の句。いいタイミングでした。「やはり」に賛否が集まりました。
●こんなにも石段禿びて花の雨 秀子(清吾◎)
秀:作者としても「禿びて」が、賛否両論だと思いつつ、冒険してみました。
●衝撃のマリリンてふ銘の春袷 智雪(葱)
秀:葱男さん作の御着物へのご挨拶。 葱:「マリリン」を詠んでいただけたことが嬉しくて。
●吟行に来て佐保姫と出逢ひけり ラスカル(秀)
秀:欠席投句を送ってくださったラスカルさんが、メールで、私と葱男さんへの挨拶句があるとのことで、てっきり佐保姫に例えてくださったと思っていますが、間違ってたら、大笑いですね。
●飛び石のひとつひとつが春めきぬ ラスカル(莊)
秀:やはりラスカルさん上手い!
●バラ窓にそぼ降る雨や受難節 清一(清吾)
秀:クリスチャンの清一さん。アグネス教会のバラ窓美しかったですね。
●亀鳴くや狛いのししに阿吽あり 清吾(智)
秀:和気清麻呂を祀る護王神社は、清麻呂を助けたという謂れのいのししくを大切にする神社でもあり、狛犬ならぬ「狛いのしし」さんです。
●瞬けば花があふれてはみ出して 秀子(輝◎)
秀:「花があふれてはみ出して」に賛否両論
●出店を祝ひて花の句会かな ぼくる(清一)
秀:葱男さんへのお祝いの句。まさしく花の句会になりましたね。
●春愁を探る砂利道遅々として 朱河(葱)
秀:御所の中の砂利の道でしょうか?私は御所には行かなかったからか、「遅々として」の正体がわかりにくいと思ってしまいました。 葱:「玉砂利」か「砂利道」かで小さな論争があり、読み手それぞれの感覚の違いをあらためて実感しました。
●雨粒の列のたわわよ糸ざくら 清吾(秋)
秀:皆さんがこの景にひかれたのですね。雨と桜!
●緑立つ聖歌番号一二八 (ラ◎)
ラ:「聖歌番号一二八」とはどんな曲なのか、色々と想像出来る楽しさがあります。 秀:検索してみたところ、「たがいによろこび」でした。やはり、葱男さんへの祝句だったのですね! ただし、「聖歌」には「クリスマスソング」という意味もありますので「讃美歌」にした方がよかったかもしれません。
参加者・ぼくる・清一・清吾・莊太・葱男・秋波・智雪・洋子・輝代・朱河・秀子
欠席投句・ラスカル
秀:吟行地・メンバー・句会上、三拍子揃った楽しい吟行でした。
また、十月、同じメンバーでお会いしましょう。
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