〜新年 正しむ〜


●ひうひうとうねる淑気や龍が来た

●でこぼこなきもちでごめんちやつきらこ
【俳句界】田中 陽 選

●新雪や旬の香りのする言葉
【俳句界 名村早智子 選】<佳作>

●凧の尾のちぎれて童はしやぎけり
【百鳥 今月の秀句】

●福音はCHANGE甲の恵方道

●春駒や愛に飢えたる愛子たち

●トーストをこんがりと焼く四日かな
【俳句界 選】

●福笑ひ癌細胞に香りあり

●書初や指書の好きな教祖様

●病室に賀状黒豆届きけり
【百鳥】

●役を終ふ東京タワー鳥総松

●恵方へとたつぷり寝る夜行バス
【百鳥】

●傀儡師のときおり猫と遊びをり
【百鳥】

●初旅やすぐ寝る隣りの席のひと
【百鳥】

●詫び状も兼ねて賀状の字の小さき
【百鳥】

●ぽつぺんのぽつでこはれてしまひけり
【はるもにあ】

●若水の惑星(ほし)ひとつ浮く御空かな
【俳句界 齋藤慎爾選】

●女正月惚れ惚れとする能天気

●初電話外耳内耳とぬくぬくし

●松明やつまさき立ちてうひの場所
【はるもにあ】

●福水や阿弥陀の籤を下りをり

●汲み汲みて飲み飲みて飲む大福茶

●身を朱に印して初の比叡山

●初山河失ひさうになるものを

●ぽつぺんや永遠の嘘ついてくれ

●好きな絵に好きな俳句や開豆

●うぶごえはそのみどりごのゆめはじめ

●寿限無とふ名の石影に藪柑子

●初大師風信帖の三通目
【はるもにあ】

●初茜ここそこに染む雪だまり

●むつび月初折裏に鶴のこゑ

●初明かり輪廻をくぐる澪つくし

●オディロンのその青のごと淑気立つ